【おしゃべりなたまごやき】 寺村輝夫
おしゃべりなたまごやき (日本傑作絵本シリーズ) (単行本)
寺村 輝夫 (著), 長 新太 (イラスト)
おしゃべりなたまごやき (日本傑作絵本シリーズ)
絵本が好きですか?と問われたら、豪速球で「イエッサー!!」と答えます。
それくらい好きです。
でも、純文学も好きだし、漫画も好きです。
もしや見境無く好きなだけでは......うーん、そうとも言えますね(おい)
ですが、やはりなんでも面白い!と感じるわけではありません(当たり前)
特に絵本は、最近「大人の為の〜」や「大人も楽しめる〜」などと色々と銘打たれていますが、実際、子供が「好き!」と感じられない限りは、それは絵本としてどうなの?と思ったりもします。
まぁ、そんなことを言っていても、エドワード・ゴーリーも好きだったりするのですが。
確かに、絵本の中にもピリリと社会風刺的なスパイスや、皮肉が盛り込まれていて、デザイン性にも富んでいるものは、大人も楽しめるし、他人と変わったものが良い!と言う子供には受けるでしょうね。
そのような絵本は、後々紹介していくとして、まず最初は寺村輝夫の「おしゃべりなたまごやき」です。
これは、大人も子供も、頭空っぽにして楽しめる、面白おかしい絵本です。
この作者は「王さまシリーズ」で特に有名な方ですね。
図書館にも、一冊は必ず有ったと思います。
王さまシリーズは、イラストレーターの和歌山静子との共作のものが主体なようです(この絵柄は、誰でも一度は見たことがあるのでは)。
お話の内容は、わがままでお茶目な王様が、お城を散歩中に、鳥小屋のニワトリを逃がしてしまう、という話です。
そして、お城中の人達が犯人探しに乗り出す中、王様は一匹のニワトリが自分のことをずっと見ていたことに気付きます。
「いいか、わしがやったことを、だれにもいうなよ」
と、そのニワトリにくぎを刺します。
そして、ニワトリがいなくなってしまい、王様の好物である卵料理が出来ない!となったとき、王様はそのニワトリが産んだ、ひとつの卵を見つけて、コックに渡します。
そして、コックはその卵を使って、目玉焼きをつくるのですが......。
ラストは、思わず「ふふっ」と笑ってしまうような、お茶目な落ちです。
それなりに文章も多いので、読み物としても楽しめます。
また、この作者自身も卵好きであり(旅行に行く際には、自ら大量の卵を抱えて出かけたとか)、出てくる卵料理は、とても美味しそうです。
そして何より、その色彩ですね。
一面にどばーーーー!っと赤と白、そして緑。
青や寒色系はほとんど出てきません。
子供が好む色は、赤や黄色、緑といった暖色系のはっきりとした色なので、そういう点でも子供達に支持されているのでしょう。
私も、保育園くらいの頃、この絵本を読んだのですが、文字以前にその絵柄のカラフルさに、目を奪われたものです。
(個人的に、「はらぺこあおむし」までいってしまうと、色彩がどぎつくてちょっと嫌だったりしますが......)
また、寺村輝夫は擬音にも凝る作家で、ラッパの音「テレレッテ、プルルップ、トロロット、タッター」は、有名です。
他に昼の鐘は「じゃらんぽ、がらんぽ、じゃらんぽ、がらんぽ」または「ごわーん、ほろんほろんほろん」、夜のチャイムは「チャーイム、チャーイム」。
ちゃーいむ、ちゃーいむって、アンタ......かわいいじゃないか!!もー!!
このように、「声に出して読みたい日本語」も満載です。
特に子供は、変わった擬音を口にするのも、耳にするのも、大好きですから、親子で一緒に読むのみ適した本と言えるでしょうね。
余談ですが。
この絵本、以前は「おしゃべりなめだまやき」というタイトルだったようです。
途中から「おしゃべりなたまごやき」と改題されたようですが、理由は何でかよくわかりません。
卵を使った料理だから、卵焼き、としたのでしょうかね。
ちなみに、出てくる料理は、改題後も「めだまやき」のままでした。
何だか、自分の記憶がちゃんと残っていて、安心しました。ほー。
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