【[図解]焚火料理大全】 本山賢司
図解 焚火料理大全 (新潮文庫) (文庫)
本山 賢司 (著)
図解 焚火料理大全 (新潮文庫)
炎を眺めて、メシを食う。煙さえもがご馳走だ! 家の台所でも応用可。野外料理のレシピ満載。
焚火をやってみたい、だが、じつはやり方がよく分からない。アウトドアは好き、だけどいつもバーべキューばかり。そんな人々へ贈る炎と煙の世界への案内書。炎を見ながら野外で食べるメシは、いつでも絶品だ! 火の熾し方を始めとして、魚の直火焼きや鍋はもちろん、石焼き料理や本格チャーシューの作り方まで、イラスト図解でコツとワザをじっくり披露します。おいしいレシピ満載。
【以上、新潮社の作品紹介より転載】
ついに料理も何も通り越して屋外に出たのかお前は、と突っ込まれたら「すんませんうへへ」と笑うしかありません。
ですが、これぞ、究極の「実用書」ではないでしょうか。
IHのクッキングヒーターで、中々温まらないフライパンにイライラしながら、換気扇全開で作るシャレオツな料理、そんなレシピばかり収録した本が本当に実用書と言えるでしょうか?
レシピ本、という書物は多々あれど、実用・実践・サバイバル(?)の本と言えば、これだと思います。
さて、内容ですが、書店で何気なく手にとってびっくり、半分が丁寧な解りやすいイラスト付きです。
これぞ「図解」といった感じですね。
著者の本山さん自らのイラストが満載なのですが、これがまた圧巻ですよ、みなさん。
イラストのタッチも、昨今のさばっている左手でクレヨン握りしめて描きました!的なイラストではありません、極めて写実的で、紳士淑女の方も安心して楽しめる画風でしょう。
大体、見開き2ページにつき、右ページに料理のレシピやポイント。
左ページに具体的なイラストが記載されています。
もちろん、焚火料理なわけですから、焚火の起こし方や、火力を維持するポイントなど、アウトドアな知識も満載です。
しかし、本当に感心するのは、そのレシピの数々。
焚火料理と言うと、そこらへんの鳥を撃ち落として丸焼きでガハハ!な山賊な光景をイメージしていた私ですが、この本を読んで見解がガラッと変わりましたね。
なーんだ、ただ単に料理する場所に天井があるか無いかくらいの差しか無いじゃないか、と思いました。
いや、もしかしたら、著者の本山さんが言うように、木々の気配や輝く星空、草木の野蛮なまでの清々しい香りが、焚火料理をグンと美味なものにしてくれるのかもしれませんけどね。
レシピですが、食パンを削った枝に刺して焼いたり、ネギを焚火にぶち込んでホクホクになったところを見計らって上の皮を剥いで食べるものなど、焚火料理じゃーん!とウキウキしてしまうようなワイルドなものを始めとして、屋外で作るトマトスパゲティや、フライパン一個で作る即行目玉焼きトースト、果てはゴージャスな海苔弁まで様々です。
基本的に、長時間ぐつぐつやる、というよりは、手早く出来るものが多いようですね。
器具も限られてくる環境を想定してレシピが作られているので、時間が無い朝など、簡単に朝ご飯を作ろう!なんてときに応用できすなレシピも載っています。
自宅でも実践できる料理が多いので、火のことを気にしなくて良い分、料理初心者のぶきっちょさんでも挑戦しやすいメニューが多いな、と感じました。
また、酒の肴に向いている料理も多いので、のんべえな方にも楽しめる一冊になっています。
実際、焚火料理を山の中で一人で行うことなんて、普通に考えたら有りませんよね。
焚火をするとき、山登りをするとき、キャンプをするとき、私達は大概親しい友人や、家族・恋人と一緒にいる筈です。
星が瞬く青い天井を眺めながら、積もる話をしつつ食べる料理、それだけでも十分、美味のスパイスが効いていますよね。
でも、そこで「簡単だからカレー」「楽だからバーベキュー」で終わらせてしまうのは、少々勿体無いと思いませんか。
この本に掲載されているレシピは、焚火料理のプロが教える、ひと癖ふた癖ある料理ばかりです。
話の種にもなるでしょうし、しかも美味いだなんて、嬉しいことばかりです。
と、べた褒めですが、私はこの中にある料理を実際にアウトドアで実践したことはありません。
実家(東北の田舎)では、そういうことも容易に出来るでしょうが、都会に住んでいたら焚火なんて迂闊にしようもんなら通報ですよ、世知辛いですね。
まぁ、何が言いたいのかと申しますと、この本を読んで、田舎の原風景に思いを馳せるだけでも十分幸せです。ということです。
余談ですが、食パンの真ん中をくりぬいてバターを溶かしたフライパンに乗せ、真ん中に卵を割りいれて、同時に半分に切ったプチトマトもソテーして作る即席料理は本当にオススメです。
アレンジもききそうですし、料理本としても、読者の想像をかきたてる秀逸な一作ですね。
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